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2006-04-02(Sun)

忠太

この記事は実話でありフィクションではありません。
忠太という名前はプライバシーを考慮し仮名です。









なぁ、忠太。



届いてるかな?









お前が亡くなったのって、
高校2年の冬だったよな。



まだまだやりたいことたくさんあったろ?
女も知らないまま逝ってしまうなんて…。



お前は一体何になりたかったん?
お互い将来の夢を語り合ったこともないよな。









なぁ、忠太。



覚えてるかな?









お前が車イス生活になった時、
俺、お前に会いに教室まで行ったんだよ。



でも正直な、お前を直視できなかったよ。
なんて言葉をかけていいかわからなかったから。



本気で言葉がでてこなかった。
お前の目を見て話すなんてもうできなかった。



同情の言葉なんてかけてほしかったか?
うわべだけの言葉なんて要らなかったろ?



そう自分に言い聞かせて、
当時は弱い自分を正当化してた。



でもあの日以来、
お前を避けるようになってしまった。



みんながお前の車イスを押してる姿を、
見て見ぬふりするようになってしまった。



俺、お前の車イス押したことないよな。









なぁ、忠太。



みてくれてたかな?









俺、荒れた生活を続けた後、
19で医者になることに決めたんだよ。



きっかけは全部お前の存在だった。



お前の車イスを押せなかったこと、
現在でも本気で後悔してんだよ。マジで。
当時は逃げ続けてたんだよ、厳しい現実から。



でももう逃げたくないんだ。



お前にしてやれなかったこと、
まだ見ぬ未来の患者にしてやろうと思ってさ。



恩着せがましいか?ごめんな。
でも現在の俺ってカッコよすぎるだろ?



福井の病院長との面接でも、
お前のこと全部話したんだぜ。



ダサいけど涙を流しながら。
そしたら昔の悪行許してもらえたんだよ。









なぁ、忠太。



みてくれてたかな?









その後、
俺はその病院長を裏切って退学したんだよ。
本当に本当にガキみたいなつまらない理由で。



病気になったのってその天罰なんかな?
さすがに神様も愛想をつかしたんかな?



おかげで辛かったよ、人生で一番。
生き地獄のような数年間だった。



でも自分が患者になって、
初めてわかったこともあるし。
多くのこと勉強させてもらったよ。



あの時、
神様も許してくれたんだろ?



忘れもしない2006年3月7日。



様々なおもいが交錯して、
溢れ出てくる涙が止まらなかった。



合格がわかった瞬間、
忠太の名前を連呼してたら、
微笑んだお前が目の前にいたんだよ。



俺にはお前がみえたんだよ。ホントだぜ。
嘘じゃないよ。ホントだぜ。









なぁ、忠太。



忠太…。



死んだらお前に会いに行くよ。



救った患者の数教えるからさ、
それまで俺のこと見守ってくれよ。



いいだろ?



俺たち、
ダチなんだからさ。

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Shouhige

Author:Shouhige
国立大学医学部医学科を6年間で卒業した医学科卒です。1年間医師国家試験予備校にて浪人を経験。初期臨床研修2年で修了。ぶっちゃけ変人なのは気にしない。経営者になるまでよろしくお願いします。

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